Border Regions in Transition キプロスで復活
2025.05.29
ニュース
2025年5月26~28日、セントラル・ランカシャー大学キプロスで、BRIT(Border Regions in Transition)第17回会議が開催されました(タルトゥ大学のエイキ・バーグ教授がコーディネーター)。ナイジェリア・ベナンで開かれた第16回大会(2018年)以降、7年ぶりとなり、境界研究に関心を持つ研究者が数多く集まりました。欧州からの参加者が中心となり、ロシア・ウクライナ戦争に関するパネルが多くを締めましたが、キプロスについての報告も注目を集めていました。
米国からはABS(Association for Borderlands Studies)のローリー・トラウトマン会長を始め、なじみのメンバーが参加しましたが、アフリカ、アジア、中東からも過去のBRITのコーディネーターが参加しました。
ロシア・ウクライナ戦争後、欧州の多くは「ゲートウェイ」から「砦」へと変貌しつつある境界地域の研究は厳しい状況ですが、初めて参加する若手研究者も多く、ポスト冷戦期の「開かれた」境界地域研究の財産が共有されそうです。2年後にはサラエボでの開催が予定されており、「新冷戦」ともいわれる世界の苦境の中で、これを乗り越える「ボーダースタディーズ2.0」の創造が求めらています。
*これまでのBRITの歩みはこちら
https://brit.uclancyprus.ac.cy/brit-conferences/
(岩下明裕:第12回BRITコーディネーター)
BRIT歴代コーディネーターの揃い踏み