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実社会共創・アイランドリスクセミナー「海でつながる地域の未来」を開催しました

2026.06.09

ニュース

5月23日(土)、本学佐世保校において、実社会共創・アイランドリスクセミナー「海でつながる地域の未来―佐世保・長崎県北の現場から―」を開催しました。本セミナーは、長崎大学グローバルリスク研究センターNPO法人国境地域研究センター(JCBS)との共同主催による事業です。

佐世保・長崎県北地域には、宇久島、小値賀諸島、九十九島高島をはじめとする離島、港町、沿岸集落が点在しています。一見すると、それぞれが海によって隔てられているように見えます。しかし、暮らしの足となる海上交通、漁業や農の営み、地域文化、人の移動や交流に目を向けると、それらはむしろ海によって結ばれてきた地域でもあります。本セミナーは、こうした佐世保・県北地域を一つの「海域圏」として捉え、医療、交通、買い物、教育、災害対応、担い手確保などの課題を、地域全体の持続可能性の問題として考えることを目的に実施されました。

     浅田学長による挨拶             長崎大学グローバルリスク研究センター長 岩下明裕教授からの
                                              趣旨説明

            

当日は、地域の現場で実践を重ねる登壇者から多様な報告が行われました。公共政策学科石田聖准教授が進行・コーディネーター役を務め、株式会社ミライステラス代表取締役の前田晴郎氏からは、佐世保市鹿町地域を拠点に、棚田の保全や農村文化の継承に取り組む実践の紹介がありました。中山間地域の農地が抱える担い手不足や維持管理の難しさを踏まえつつ、棚田を地域外の人々にも開き、「関係人口による稲作」という新しい可能性を示されました。

一般社団法人高島活性化コンベンション協会ESPO代表理事である重村友介氏からは、佐世保市高島における水産業の6次産業化、島内唯一の商店の運営、教育支援、交流拠点づくりなど、小規模離島の暮らしを支える幅広い取り組みと、県立大学との連携についても紹介されました。cotoco株式会社代表取締役の柳まり子氏からは、離島と含む長崎県内の伝統文化や生業を伝える「ワクワク達人」と子どもたちをつなぐ体験型の学びを通じて、島や地域の魅力を次世代に伝える実践や本学学生との新上五島における連携プロジェクトについても報告が行われました。

また、本学実践経済学科芳賀普隆准教授からは、九十九島高島をフィールドとした学生主体の「地域プロジェクト活動」について報告。芳賀ゼミでは、海岸清掃、住民との意見交換、冊子「TAKASHIMA」作成などを通じて、学生が離島の課題を自ら発見し、地域の人々とともに考え、発信する学びを積み重ねています。

後半のパネルディスカッションでは、コメンテーターである鹿児島大学国際島嶼教育研究センターの山本宗太准教授より、鹿児島の島嶼地域との比較や島嶼研究の視点を踏まえたコメントがありました。山本准教授からは、島嶼地域が抱える課題は一つの大学や一つの地域だけで解決できるものではなく、離島や沿岸地域に向き合う大学間で連携したセンターや研究ネットワークを築いていくことが重要ではないかとの提案もなされました。また、小値賀町出身の本学学生でコメンテーターを務めた崎元愛琴さん(公共政策学科4年生)からは、離島で育った若い世代の立場から、島の暮らし、学び、将来像について率直なコメントが寄せられました。

株式会社ミライステラス 前田晴郎さんの講演    鹿児島大学 山本宗太准教授(リモート参加)とのパネルディスカッション

 

セミナーを通じて、佐世保・長崎県北地域周辺の島嶼地域や沿岸地域を単なる「課題地域」としてではなく、地域資源、生活文化、産業、教育、外部人材との連携が交差する実社会共創の場として捉え直す機会となりました。海は地域を隔てる境界であると同時に、人、知恵、文化を運ぶ回路でもあります。本学では今後も地域の実践者、研究者、学生との対話を通じて、佐世保・長崎県北の未来を支える教育研究と地域連携を推進していきます。

なお、本セミナーの様子は、以下よりアーカイブ動画視聴も可能です。

https://www.youtube.com/watch?v=cATJm8ynySI

                 セミナーの様子